Google広告で、以下のようなアナウンスが出てくるようになりました。
同意シグナルを実装
カスタマー マッチを使用するキャンペーンのパフォーマンスを維持するには、欧州経済領域のエンドユーザー向けに広告をパーソナライズするために必要な同意シグナルを実装する必要があります。
引用元:Google広告
カスタマーマッチを利用している広告アカウントでは、パフォーマンスに直結する可能性があり、対策する必要があるのか?もしあるのであればどのように対策するのか解説していきます。
そもそもどういうこと?
Google広告でカスタマーマッチを利用するには、欧州経済領域(EEA)のユーザーに対する同意シグナルの実装が求められています。
カスタマーマッチを利用しているアカウントにアナウンスが配信されている模様です。
対策が不要な場合とそうでない場合
もし自サイトが、GDPR対策などでEEAユーザーをブロックしているのであれば、対策は不要です。
サービスの対象が国内だけのサイトであっても、EEAからアクセスできる場合は原則として対応する必要があると言えます。
もしそのあたりが不明であれば、ホームページ担当者やベンダーに確認してみましょう。
EEA、GDPRとは?
EEAとは、EU加盟国に加え、アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェーを含む経済区域です。この地域ではEUの規則が適用され、特にデータ保護に関する規制が厳格として知られています。
中でもGDPR(一般データ保護規則)は、2018年に施行されたデータ保護法で、個人データの収集・処理・保存について厳しい基準を定めており、違反すると高額な罰金が科されることがあります。
どのように対策すればよいか?
前提として、GDPRに対応する必要があります。
とはいえ、EEAに拠点がありビジネスを展開している会社でもない限り、万全なGDPR対策にコストを支払うことはそもそも現実的ではありません。
有名なところではYahoo! JAPANのサイトはGDPR対応を断念し、サイトやサービスを利用できない状態になっています。
EEAユーザーをブロックする
そもそもEEAユーザーにサービスを提供する必要がない場合、EEAユーザーをブロックすることがもっとも簡単な対処法ではあります。
もちろん、web担当者やホームページ業者が一存で決めてよい内容ではないので、そのような立場の方であれば責任者にあらかじめ相談しましょう。
ちなみに本サイトや、弊社でホスティングしているサイトは、サーバーにnginxを使用しており、必要に応じて ngx_http_geoip_module を使用して簡易的にブロックを実装しています。
実装例
- geoip_country /usr/share/GeoIP/GeoIP.dat;
- server {
- listen 80;
- server_name example.com;
- if ($geoip_country_code ~* ^(AT|BE|BG|CY|CZ|DE|DK|EE|ES|FI|FR|GR|HR|HU|IE|IT|LT|LU|LV|MT|NL|PL|PT|RO|SE|SI|SK)$) {
- return 403;
- }
- location / {
- # 通常の設定
- }
- }
Google広告に同意シグナルを渡す
もしカスタマーマッチを活用しつつ、EEAユーザーにもサイトを利用してもらいたい場合は、Google広告に同意シグナルを渡す必要があります。
現時点(2024年6月)でサポートされている方法は、以下3種類です。
- Google Ads API で同意シグナルを渡す
- パートナーと Audience Partner API を通じて同意シグナルを渡す
- Google 広告アカウントのオーディエンス マネージャーを使用して手動で同意シグナルを渡す
一般的には、3つめの「手動で同意シグナルを渡す」方法がメインとなるかと思います。
同意済のリストのアップロード方法については、親記事を参考にしてください。
連絡先情報が正確か確認する
カスタマーマッチを利用すると、広告主はGDPRにおける「データ処理者」の立場になります。
GDPRおけるデータ処理者としてアカウント設定における情報が最新で正確であるかどうか確認しましょう。
Google では一般データ保護規則(GDPR)に準拠するため、カスタマー マッチに適用される Google 広告データ処理規約を Google 広告の利用規約に盛り込んでいます。この規約において Google は、カスタマー マッチに関連してお客様が Google に提供する個人データの(※GDPRにおける)「データ処理者」の立場となります。[アカウント設定] で、ご自身の連絡先情報(メインの連絡先)とデータ保護オフィサーや EU 担当者(該当する場合)の情報が最新であることをご確認ください。Google 広告データ処理規約に基づく通知はすべて、メインの連絡先に送られます。
(※引用者註釈)
引用元:Google広告
GDPR未対応の場合は?悪影響はあるのか
もし今回の対応ができなかった場合、Google広告アカウントに悪影響はあるのでしょうか?
その場合、カスタマーマッチをソースにしたオーディエンスが利用できなくなる(そのオーディエンスをターゲットにしている広告グループやキャンペーンが利用できなくなる)可能性があるでしょう。
アカウント全体でみた場合、カスタマーマッチは機械学習のシグナルのひとつですので、検索キャンペーンにも影響があります。
そこで得られていたパフォーマンスの向上やアドバンテージが徐々に失われていく可能性があります。
将来的にはより必須になる可能性
とはいえ一気にパフォーマンスが低下することは考えにくいですが、もともとカスタマーマッチは現状において必須の施策というよりは、(施策上の)リスクがほぼなく、機会学習によるパフォーマンスの向上が期待できる優れた施策です。
webマーケティング全般に言えることですが、個人情報保護の風潮が今後強まることはあれども弱まることはないでしょう。
カスタマーマッチの手動アップロードに関しても、例えば現状のようなメールアドレスのみではNGで、同意トークンのような情報がセットでないと利用できなくなるケースも予想されます。
拡張コンバージョンとの連携
Google広告側のプロダクトとしても、例えば拡張コンバージョンを実装することで、カスタマーマッチのオーディエンス(購入者)が作成されるなど、ユーザーデータを如何に合法的に活用しやすくなるような方向性の進化が多いように見受けられます。
拡張コンバージョン✕カスタマーマッチなどは、サイト側(広告主側)も、一度導入さえしてしまえば、いままで手動でタグを導入したり、アップロードしたりする作業も不要になるメリットもあり、強力です。
「また仕事が増えた…」と悲観せず、ライバルと差をつける機会だと思って対応していきましょう!
