ランディングページ最適化(LPO)は、ウェブマーケティングの成功に不可欠な要素の一つです。ウェブサイトへの訪問者が特定のアクションを起こすこと、例えば製品の購入、サービスの登録、問い合わせフォームの送信など、これらのコンバージョンの達成率向上を目指します。
まずランディングページという用語について、誤解がないように確認してみましょう。
訪問者が最初にアクセスするするページは、ホームページ(階層構造になっているウェブサイトのトップページ)とは限りません。広義のランディングページ(LP)は、訪問者が最初にアクセスするウェブサイト上の特定のページを指します。
狭義のランディングページ(LP)は、通常、特定の広告キャンペーンやプロモーションの一部として使用され、特定のコンバージョンを達成することを目的としたページになります。
LPOは、広義のランディングページに対しても、狭義のランディングページに対しても同じ基本原則を適用します。
つまり、訪問者が望む行動を起こしやすくするための戦略を開発し、実行するプロセスです。どちらも訪問者の期待に応え、ウェブサイトのコンバージョン率を改善し、ビジネスの成果を最大化することを目指します。
なぜLPOが重要なのでしょうか?ウェブサイトの訪問者は、特定の目的やニーズを持ってサイトに訪れます。例えば、情報を探しているか、商品を購入しようとしているか、サービスに登録しようとしているか、それぞれ異なります。
LPOを活用することで、ランディングページはこれらの異なるニーズに対応し、訪問者が求めている情報や行動を促進します。結果として、コンバージョン率が向上し、ビジネスの成果を高めることができます。
次に、LPOの対策の基本について詳しく解説していきます。
LPO(ランディングページ最適化)を成功させるためには、いくつかの基本的な原則があります。
LPO対策を始める際に欠かせないのが、効果測定です。効果測定が出来ていないと、どの施策が効果的であるかが明確に把握できません。
ウェブサイト上での訪問者の行動をトラッキングし、コンバージョン率はもちろんページ滞在時間、クリック率などのデータを収集しましょう。
これにより、改善の方向性が明確になり、目標達成に向けた施策を選択できます。
専用ツールである必要はありませんが、本格的なLPOには Microsoft Clarityなど、ヒートマップ機能やクリックイベントなどが取得できるツールあると便利です。
テスト設計と検証はLPOにおいて非常に重要です。
通常はコンバージョン率(CVR)を最大化することが目標になりますが、その先にあるビジネスの目標の達成に向けた指標(KGI)の設定や、テストのスケジュールなどを決めることが重要です。
検証では、施策の実施前後でパフォーマンスを比較します。ケースによっては、A/Bテストを実施することもあるでしょう。
A/Bテストとは、異なるバージョンのランディングページを訪問者にランダムに提示し、その結果を比較・検証する方法です。複数のA/Bテストを同時に走らせるマルチバリアントテスト(多変量テスト)という手法もあります。
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LPOでは、必ずしもA/Bテストを実施する必要はありませんが、期間の要素を排除できるというメリットがあります。
いずれにせよ施策の効果を検証できるよう、訪問者の反応やコンバージョン率に関する客観的なデータや、インサイトを最大限に得られるようにテストを設計しましょう。
ウェブサイトの訪問者は、全員が同じではありません。訪問者の好みやニーズはそれぞれ異なりますので、個々のユーザーに合わせたパーソナライズという考え方が重要になります。
ランディングページのコンテンツやデザインを、訪問者のセグメント(過去の行動など特定の条件で絞り込まれたグループ)に基づいてカスタマイズすることも、LPOの範疇です。
ユーザーが自分に合った情報を見つけやすい環境を提供することで、コンバージョン率を向上させることができます。
パーソナライズにあたっては、対象とするセグメントを小さくしすぎないよう留意しましょう。
また、セグメントに使用するデータがそもそも不正確だったり、仮説の根拠が不十分だとパーソナライズが活かされませんので、注意が必要です。
これらの基本的な要点を理解し、LPO対策の基盤を築くことが、ランディングページ最適化を通した目標達成に不可欠です。次に、LPO実施の手順について詳しく見ていきましょう。
LPOを実施するには、計画的な手順が必要です。計画の時点で、LPOが成功するかどうか決まってしまうと言っても過言ではありません。
ここからは、LPOを効果的に実施するための手順を解説していきます。
LPOの最初のステップは、現状の分析です。ランディングページの現在の状態を評価し、どの部分が問題を抱えているのかを特定しましょう。アナリティクスデータを活用して、訪問者の動向や行動パターンを把握し、問題点を明らかにします。
ここで大事なことは、問題点は数値化されている必要があるということです。問題点を数値化し、キーパフォーマンスインディケーター(KPI)として設定します。
もし問題点が数値化されていない場合、まず問題を言葉で表現してみましょう。その際、なるべく具体的に言語化することで、問題の本質を理解しやすくなります。
そして、言語化された問題点がウェブサイトのデータに反映されている箇所を探しましょう。
また、問題を感じているにもかかわらず、データとして表れていない場合は、問題が実際に存在しない可能性もあれば、問題を適切に測定できていない可能性も考えられます。データと感覚のギャップを解消し、正確な問題特定を目指しましょう。
問題点を特定したら、次は解決策を検討しましょう。問題の原因を分析し、改善のための仮説を設定します。
例えば、キャッチコピーがユーザーに響いていないのでは?という仮説を立てた場合であれば、コピーを改善することによってKPIが向上する筈なので、コピー案を複数作成しマルチバリアントテストをする、といった対策が考えられます。
仮説は単一ではなく、なるべく複数の仮説を用意しましょう。そして、複数の仮説を元に、複数の対策(施策)案を作成します。
仮説と具体的な対策案が整ったら、次は改善施策の実行です。複数の対策案を検討し、リソースの制約なども考慮しながら、改善の可能性が高い対策を実行に移します。
また、パーソナライズを実施する場合は、どのように導入するかという技術的な検討事項が生じます。
既存のランディングページとは別の新しいバージョン(※)を作成し、ランディングページの一部もしくは全てを、パーソナライズ対象となる訪問者にだけ表示する仕組みを作ります。
(※)LPOやA/Bテストでは、テスト用のバージョンのことをバリアント(variant = 変型。変種 )と呼ぶこともあります。
バージョン(バリアント)の実装方法には、大きく2つのパターンがあります。一つは同一のURLで対策を実行し、もう一つは別のURLで対策を実行する方法です。
同一のURLで対策を実行する場合、データの分析には注意が必要です。アナリティクスで、パーソナライズされたコンテンツが表示されているかどうかを判別できるようにしましょう。具体的には、URLパラメータを活用するのがオススメです。
別のURLで対策を実行する場合、リダイレクトが行われます。これにより、元のURLと新しいURLの両方にトラフィックが流れることになります。アナリティクスなども別ページとしてデータを収集・分析できます。
どちらのケースでも、SEO対策しているページであれば、canonical を忘れずに設定しましょう。
技術的には、実装方法も2つの選択肢があります。一つはクライアントサイド(JavaScriptなど)での実装で、もう一つはサーバーサイド(phpなど)での実装です。
専門的な内容になってしまう為、すべて理解する必要はありませんが、どちらかといえばJavaScriptによる実装が一般的で、多くのLPOツールはJavaScriptで動作している、という事を知っておけばよいでしょう。
テストが終了したら、結果を評価しましょう。KPIやコンバージョン率はもちろん、要素のクリック率、イベントや滞在時間などのデータを分析し、どのバージョンがより成功したかを判断します。
テスト結果に基づいて、必要な調整や改善を行いましょう。そして、サイクルを繰り返して、より効果的なランディングページを作成し続けます。
これらの手順を遵守することで、LPOプロセスを効果的に実施し、コンバージョン率の向上に向けた着実な進歩を実現できます。
ここからは、一般的なランディングページおける具体的な改善施策と、それに伴うチェックポイントを簡単に説明していきます。
訪問者が最初に目にするランディングページの画面、すなわちファーストビューは、改善のインパクトの大きいポイントです。
ファーストビューの印象で、そのページを読み続けるか否か瞬時に判断されます。具体的な改善施策と検証項目は次の通りです。
<改善施策> 訪問者に魅力を感じてもらえるようなメインビジュアル(キービジュアル)やコピーをテストもしくはパーソナライズする
<検証項目> 直帰率(バウンス率)、ページ滞在時間、平均スクロール深度
フォームは重要なコンバージョンポイントです。
EFO(エントリーフォーム最適化)という言葉が存在することから分かるように、最初(ファーストビュー)と最後(フォーム)は、改善のインパクトがもっとも大きいポイントです。
迷ったら、まずこの2箇所に改善点がないかをチェックしてみましょう。
フォームデザインの改善に関する施策と検証項目は以下です。
<改善施策> フォームの入力項目数を最適化し、見やすさと使いやすさを向上させる
<検証項目> フォーム提出率、エラーレート、フォームの平均記入時間
近年はステップフォームや、チャットボットを見かけることも多くなりましたが、基本的な考え方は同じです。
LPOの基本的な考え方と実装方法について、基本的な考え方と導入のステップについて解説してきました。
近年はLPOの需要が高まり、専用ツールも多く開発されていますが、最新のツールを使っても使わなくともLPOでやることは基本的には代わりません。ツールを使用することが目的にならないようにしましょう。
弊社には、SEOやリスティングを中心とした広告運用、ランディングページ運用のスペシャリストが在籍しています。
そして、ランディングページやホームページ作成において、CRO(コンバージョン率最適化:LPOを含む上位の概念)を前提とした設計になっているかどうかがいかに大事であるかを痛感してきました。
dmnwでは、コンバージョン率に影響する様々な要素を研究し、改善してきたノウハウを最大限に活かして、「作って終わり」ではないサブスクリプションによるランディングページ・ホームページ運用サービスを提供しています。
新しいランディングページやホームページを作成する予定がある方はもちろん、既存サイトのLPO、CROについて悩んでいる方も、ぜひお気軽にご相談ください!
ディー・エム・エヌ合同会社|dmn llc.
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