>Microsoft Clarityの導入から使い方まで解説TOP

Microsoft Clarity が無料な理由ほか利用規約やプライバシー保護について

Microsoft Clarity が無料な理由ほか

Microsoft Clarityを利用する上で知っておくべき規約、プライバシーに関する注意点、その他の補足情報をまとめます。

利用規約と料金

  • 料金: Microsoft Clarityはサービス開始(2020年)から現在(2024年4月)まで無料で提供されています。利用できるサイト数やトラフィック量に制限はありません。
  • 無料の理由: Microsoftは、Clarityを通じて収集した匿名化されたユーザー行動データを、自社のAI開発(Copilotなど)や製品・サービス改善に活用しています。このデータ収集が主な目的であるため、ツール自体は無料で提供されています。
  • 利用規約: Clarityの利用にはMicrosoft Clarity Terms of Useへの同意が必要です。主なポイントは以下の通りです。
    • データ収集と利用への同意。
    • 個人を特定できる情報(PII)を収集しない設定の義務。
    • サイト訪問者へのCookieや追跡技術の使用に関する通知と同意取得の義務(プライバシーポリシー等での明記)。
    • 適用されるデータ保護法(GDPR, CCPA, 日本の改正電気通信事業法など)の遵守。
    • Microsoftは間接的損害やデータ損失について責任を負わない。
    • 料金体系やサービス内容は将来変更される可能性がある旨の記載。
  • 金融・健康関連サイトの追加規約: 金融サービスや健康・ウェルネス関連サイトで利用する場合、機密性の高い個人情報(保護医療情報、消費者健康データ、非公開個人情報など)をClarityで処理しないことを保証する追加規約への同意が必要です。

プライバシーと個人情報保護

Clarity利用におけるプライバシーへの配慮は非常に重要です。

  • PII (個人識別可能情報) の収集:
    • Clarityは、氏名、メールアドレス、電話番号、住所、パスワード、クレジットカード番号などのPIIを意図的に収集しないように設計されています。
    • しかし、サイトの構造や設定によっては意図せずPIIが収集されるリスクがあります(例: 確認画面での情報表示)。
    • マスキング設定は必須です。特に「バランス」モード以上を推奨し、フォーム送信後の確認画面などは必ずレコーディングでチェックし、必要に応じて手動マスキングを行ってください。
  • データマスキング:
    • ユーザー入力(フォームなど)はデフォルトでマスクされる傾向がありますが、ページ上にテキストとして表示された情報は「リラックス」や「バランス」モードではマスクされない可能性があります。
    • マスキング設定は設定後から有効であり、過去データには適用されません。
  • ユーザー行動データとプライバシー:
    • Clarityが収集するセッション録画やヒートマップデータ(クリック、スクロール等)自体を個人情報と捉えるかどうかは、解釈やプライバシーポリシーの定義によります。
    • ユーザーの行動が詳細に記録されるため、「気持ち悪い」と感じるユーザーもいる可能性を認識する必要があります。
  • Do Not Track (DNT): Clarityは現在、ブラウザのDNT信号には応答しません。つまり、ユーザーがブラウザ設定で追跡拒否を表明していても、Clarityによるデータ収集は行われます。
  • Cookie: Clarityは、ユーザー識別やセッション管理のためにファーストパーティCookieおよびサードパーティCookieを使用します。プライバシーポリシーやCookieポリシーでこれらの利用について明記する必要があります。
  • GDPR/CCPA: MicrosoftはClarityがGDPRおよびCCPAに準拠しているとしていますが、サイト運営者側も適切な通知、同意取得、マスキング設定を行う責任があります。(参照: Microsoft Learn – Privacy FAQ)
  • 改正電気通信事業法 (日本): 外部送信規律に基づき、Clarityのようなツールを利用する場合、どのツールでどのような情報を収集・利用しているかをユーザーに通知(または容易に知りうる状態に置く)し、同意を得るかオプトアウト手段を提供する必要があります。プライバシーポリシー等への記載が一般的です。

その他の補足情報

  • パフォーマンスへの影響: Clarityのトラッキングコードは非同期で読み込まれるため、公式にはサイトの表示速度やパフォーマンスへの影響はほとんどないとされています。PageSpeed Insights等での計測でも、大きな影響は確認されにくいです。
  • データ保持期間:
    • 通常のレコーディングデータは、記録時から30日間保持されます。
    • 「お気に入り」に登録したレコーディングと、ランダムにサンプリングされた一部のレコーディングは、最大13ヶ月間保持されます。
    • ヒートマップデータは通常30日間のデータに基づいて生成されます(期間変更可能)。
  • データのエクスポート/削除:
    • ダッシュボードやヒートマップのデータ(一部)はCSVやPNG画像としてダウンロードできます。
    • レコーディングデータ(動画)自体のダウンロードや個別の削除はできません。
  • 特定機能の無効化: ヒートマップ機能だけ、あるいはレコーディング機能だけを無効にすることはできません。両機能は連携して利用される前提です。
  • 日本語対応: UIの多くは日本語化されていますが、一部翻訳が不自然な箇所(例: Funnelsが「フィルター」、Mediumが「中型」など)もあります。
  • クロスドメイントラッキング: 非対応です。異なるドメイン間でユーザー行動を追跡することはできません。
  • サポート: 公式ドキュメント(主に英語)やGitHubでのIssue報告が基本となります。
  • 代替ツール: Clarityのプライバシーポリシーや機能に懸念がある場合や日本語による公式サポートが必須な場合は、ミエルカ(Mieruca)や QA Analytics など、国産の有料(無料プランあり)ツールでの代替も検討できます。

Clarityは非常に強力で使いやすい無料ツールですが、利用規約やプライバシーへの配慮を十分に行った上で活用することが重要です。

 

ディー・エム・エヌ合同会社|dmn llc.

dmnwは渋谷・世田谷を主な拠点とするディー・エム・エヌ合同会社が提供する、ウェブマーケティングのワンストップサービスです。ホームページ・ランディングページはもちろん、SEO、リスティング運用もお任せください。

アンケート実施中!

ホームページ、LP、集客のお悩みはありませんか?

アンケートに回答して無料相談
アンケートに回答して無料相談