ホームページの運営をしていく中で、Web担当者は大なり小なりあらゆるアクシデントを経験します。
しかし、通常のアクシデントとは異なり、社会そのものが変わってしまうような事件が起きた際に、どのようにその事態に向き合えばよいでしょうか?
能登半島地震やコロナ禍における緊急事態宣言などは、まさにそういった不測の事態と言えるでしょう。
広告代理店として、一企業のWeb担当者(責任者)としての経験や考え方などを共有できればと思います。
ディー・エム・エヌ合同会社
(dmnllc.)
弊社の強みは、Googleプロダクト及びサーチ領域を中心とした総合的なマーケティング支援です。Webマーケティングの領域で、価値あるサービスを提供し続けること。 ビジネスや人をつなげ、新たな付加価値を創造していくことが、我々のミッションです。
メッセージ
弊社の強みは、Googleプロダクト及びサーチ領域を中心とした総合的なマーケティング支援です。Webマーケティングの領域で、価値あるサービスを提供し続けること。 ビジネスや人をつなげ、新たな付加価値を創造していくことが、我々のミッションです。
Webサイトマニュアルが整備されている環境であれば、マニュアルに基づいて対応していくべきですが、そうでないケースも多いかも知れません。
通常の業務に関するドキュメントは充実しているけれど、社会不安を伴うような緊急事態までカバーしていないことがほとんどではないでしょうか。
経験豊富なディレクターであれば、過去の事例を元に判断できそうですが、たとえば東日本大震災ですら13年前(2011年3月11日)の出来事であり、その頃から現役で現場を担当しているような人材はごく一握りです。
ECサイトなどでは配送状況をお知らせしたり、被災地の方に特別な支援を提供したりする必要がある一方で、そうでないサイト(企業ホームページなど)ではどうでしょうか。
例えば、お悔やみのメッセージを掲載すべきかどうか、掲載する場合はいつまで掲載すべきか、といったWeb担当者の実務に直結する疑問が生じます。
上司からの指示があれば問題ありませんが、その判断が担当に委ねられているケースもあるでしょう。そのような場合は、他社の事例などを参考にすると良いでしょう。
業種業界 | 1st view | TOP | 内容 |
---|---|---|---|
地方銀行 | なし | あり | 「相談窓口」の設置について(PDFへリンク)、「能登半島地震災害義援金」への寄付について(PDFへリンク) |
地方銀行 | なし | なし | |
地方銀行 | あり | あり | (4日更新)特別融資の取扱いについて(PDFリンク) |
地方銀行 | あり | あり | 重要なお知らせ(4日更新)「被災されたお客さまやご親族等に対して」お取り扱いを記載、窓口の案内(PDFリンク) |
地方銀行 | なし | あり | 被災者の皆さまへのお知らせ(お取り扱いを記載)、「令和6年能登半島地震」に関する事業性融資商品の取扱開始について (PDFリンク) |
都市銀行 | なし | なし | ※東日本大震災で被災された皆様へ |
都市銀行 | なし | なし | |
都市銀行 | なし | あり | 令和6年能登半島地震の被害に対する義援金拠出について(PDFリンク)、令和6年能登半島地震に係る「災害復旧支援資金」融資の取り扱い開始等について(PDFリンク) |
ECモール | なし | あり | 地震災害義援金へご支援のお願い |
ECモール | あり | あり | 石川県の一部地域での集荷・配送の停止や遅延についてのアナウンス |
サブスク(生活関連サービス) | なし | なし | |
サブスク(生活関連サービス) | なし | なし | |
サブスク(生活関連サービス) | なし | あり | 能登半島地震の影響によるお荷物のお届けについて→荷物のお届け遅延や中止が発生のアナウンス |
教育関連サービス | なし | なし | |
教育関連サービス | なし | なし | |
教育関連サービス | あり | なし | 当該地震の影響により、一部地域の郵便物、商品のお届けに遅れが生じる可能性がございます。 令和6年能登半島地震で被害に遭われた皆様へ 「お困りのごとの際」の連絡先を記載。 |
比較サイト(アフィリエイト)EC | あり | あり | 能登半島地震による影響について→一部地域での集荷・配送の停止や遅延が発生しております。各ショップへご注文の際には、納期をご確認のうえ、ご注文いただけますようお願い申し上げます。 |
比較サイト(アフィリエイト)人材 | なし | なし | |
比較サイト(アフィリエイト)保険 | なし | あり | 令和6年能登半島地震により被害を受けられました皆さまに、謹んでお見舞い申し上げます。&各保険会社の窓口へリンク |
人材サービス(大手) | なし | なし | |
人材サービス(大手) | なし | なし | |
人材サービス(中堅) | なし | なし | |
人材サービス(中堅) | なし | なし | |
人材サービス(専門職) | なし | なし | |
人材サービス(専門職) | なし | なし | |
福祉関連施設(介護) | なし | なし | |
福祉関連施設(介護) | なし | なし | |
福祉関連施設(保育) | なし | なし | |
福祉関連施設(保育) | なし | なし |
クラウド全盛の昨今、地震や台風などの自然災害が発生しても、サーバーの物理的な損傷やネットワークの途絶によるリスクは低いかもしれません。
しかし、こうした機会にホームページが、どのサーバーやサービスで提供されているのか、物理的な所在地はどこなのかといった情報を改めて確認しておくことは必要です。
自社のシステムが災害にどの程度備えがあるのか、把握しておきましょう。
▽参考サイト
クラウドサービス提供における情報セキュリティ対策ガイドライン|総務省
https://www.soumu.go.jp/main_content/000771515.pdf
災害に強い情報通信ネットワーク|総務省
https://www.soumu.go.jp/main_content/000573791.pdf
社会不安を伴うような自然災害が発生した際には、Web担当者である我々ももちろんですがユーザー、すなわち訪問者の心理にも影響が出てきます。
特に規模や売上が大きいサービスを取り扱っている場合は、数字に顕著に現れることでしょう。
Webマーケティング、そしてビジネスは常に成果を求められますので、非常に悩ましい問題です。
広告運用を兼任するWeb担当者は、マーケットと消費者心理がどのように変化しているのか、しっかり見極める必要があります。
あくまで一般的な傾向ではありますが、財布の紐は固くなります。お問い合わせやお申し込みなどリード獲得のケースでも、検討期間が長くなる傾向にあります。
弊社の手掛ける案件でも、半数以上が影響を受けましたし、同業者との情報共有で知る限りでも近しい状況でした。
災害、特に地震は我々日本人にとって他人事ではありませんので、自分自身の心境としても、不要不急の支出は控えたり、もしくはなんとなく先延ばしにしてしまったり…という経験があるのではないでしょうか。
マーケットと消費者心理が冷える、というざっくりとした仮説は立ちますが、それを裏付ける数字をしっかり出せるように準備するのが、Web担当者の重要な仕事です。
平時のアクセス解析もそうですが、単純に悪化した、改善した、といったような観測方法はあまり意味がありません。
YoYなどの指標も見て、どの指標にどのような変化があったのかを把握し、可能であれば施策につなげましょう。
ドキュメントを作成しておくことも重要です。
リスティングやディスプレイ広告など、Web広告を運用しているWeb担当者も多いと思いますが、広告は社会不安の影響を受けやすいチャネルです。
例えば、コロナ禍における最初の緊急事態宣言があった2020年4月は、多くのアカウントでコンバージョンが減少しました。
前代未聞のケースであったため、弊社においても対応には非常に悩みましたが、やはりユーザーとの接点である「広告」、すなわち広告クリエイティブが重要であると考えました。
当時、細かい言い回しの違いなども含めて数千以上の全てのアセットをチェックした記憶があります。
具体的には、全てのアセット(テキスト、画像、動画)について、以下のようなクリエイティブがあるかどうか、あれば表現を調整するなどの対策を行いました。
あわせて、ターゲットとするユーザーとのコミュニケーションにプラスになりそうな表現についても模索しました。
例えば、とある心理カウンセラーのスクール集客の事例では、「人々が不安になるタイミングなので、その不安を和らげたいと思い、心理カウンセラーを志す人が増えるのでは」という仮説がありました。
しかし、直接的に訴求してしまうと「便乗」のように見えてしまう懸念もあります。
最終的には「こんな時代だからこそ」といったマイクロコピーを使用したところ、そうでないクリエイティブと比べてクリック率、コンバージョン率も有意に高まりました。
このように、一部のアカウントでは平時よりプラスになるケースもありますが、多くの場合はそうではありません。
例えば、SEOの順位は低下していないのに、インプレッションが減ってしまっている(検索需要がダウン)……のようなケースは、一企業の力では対策できないのが普通です。
Web担当者というよりはマネージャーの仕事になってしまいますが、必要に応じて広告予算の見直しや、目標自体の修正ということも必要に応じて検討してみましょう。
Web担当者の仕事はホームページやランディンページ、広告アカウントの管理や運用だけではありません。
社内の他部署との連携、代理店や取引先とのやりとりなど、多岐に渡ります。
能登半島地震やコロナ禍のような不測の事態に直面して、対処すべき問題が生じたとき、もしくは問題とまでは言えないけれど何らかのアクションをすべきかどうか、判断に迷ったりモヤモヤすることもあるでしょう。
そんな時は、積極的に社内の他部署や上長などに情報共有しましょう。ふとしたフィードバックに、業務のうえでヒントが隠されているかも知れません。
Web担当者に必要な素質の中に、言語化能力があります。これ!という正解がない事も多いWebマーケティングにおいて、優秀なディレクターは優れた言語化能力でプロジェクトの課題を整理したり、方向性を定めることができます。
不測の事態だからこそ、チームのためにもコミュニケーションを深めていきましょう。
業界や業種にもよりますが、そもそも「今は積極的に動くタイミングではない」と割り切りることも大事かも知れません。
Web担当者として、最新のトレンドをキャッチアップしたり、知識を得る機会として前向きに捉える、といった切り替えもアリだと思います。
様々な施策を検討した上で、「今は違うな」という結論に達したら、自身のスキルはもちろんチームや後輩のスキル向上にリソースを割くこともオススメです。
自然災害が発生して報道が広がると、多くの人は「困っている人を助けたい、被災地を応援したい」という気持ちになります。
ホームページを通して何か情報を発信したい、社会的責任を果たしたいというWeb担当者や社長さんもいらっしゃいます。
Web担当者や社長さんにそういったモチベーションがあり、会社がその活動を支援するという動きについては、賛否があるかも知れませんが、弊社はポジティブに捉えています。
例えば、ローカル(地域)の情報は、緊急事態時にはとても貴重です。
特に、普段から戦略的にコミュニティを運営しているのであれば、有益な情報ハブとして活用してもらえる可能性があります。
ホームページやSNSなどを活用し、自社にしか出来ない情報を発信しましょう。
ただし、発信する内容とその過程において、客観性と透明性が大事になってきます。
コンテンツを「誰が」「いつ」作成したのか、「どこで」の出来事なのか、見解があるのであれば誰が「なぜ」「どのように」そう判断したのか。
コンテンツを専門家がチェックしたかどうか、5W1Hが曖昧にならないような内容を心がけ、可能な限り明示しましょう。
プロボノ制作活動は、コロナ禍でよく見られました。
「正しい手洗いの方法」を分かりやすくデザインしてホームページ上で無料配布する、というような例が典型的です。
多くの人が印刷して活用するなど、お世話になったのではないでしょうか?
情報を発信することには賛成ではありますが、発信方法は慎重に検討しましょう。
ホームページであれば基本的に「プル型」、ユーザーが見に来ないと受け取れない情報ですが、SNSなどは「プッシュ型」(ユーザーのタイムライン等に流れる)です。
プッシュ型、とくにSNSの場合は見え方もコントロールできないので(前後にどういった情報に挟まれているか等)、広告クリエイティブと同様、どんな状況で閲覧されても問題ないかどうかチェックする必要があります。
また、野暮な話になってしまいますが、情報を発信の取り組みがSNSでバズったりメディアで話題になったり、アクセスが殺到してもコンバージョンは期待しないでください!
そういった性質のアクセスが何万件あっても、コンバージョンしない事はザラですので、「知名度アップのきっかけになるかも知れない」みたいな期待はハナから持たないほうが幸せです。
逆に、そういった活動でホームページが評価されてしまったり、そちらのコンテンツの量(と割合)が増えてしまうと、SEOに影響が出てしまう可能性があります。
SEOでは、近年特にテーマ性の重要度が上がって来ていますので、Web担当者であれば念のため注意しておきましょう。
Web担当者は、能登半島地震のような不測の事態に際し何をすべきかというテーマで、弊社のできる範囲で「情報発信」をしてみました。
ノウハウであったり、ステップバイステップで解説するコンテンツの方が、ウケもよくコンバージョンにつながるのですが、
今回はそういった内容ではなく、弊社の考え方やスタンスが伝わればと、というねらいでコンテンツを作成しています。
読んで頂いているWeb担当者の方が、何かしらホームページ運営のヒントを得ていただければ嬉しく思います。
緊急事態だからと言って特別なことはしない、普段と同じことが大事だ、という考え方もあると思います。
ですが、同じ「何もしない」という結論でも、あらゆる施策を検討した上での「する」「しない」では、判断の重さが異なってくるのではないでしょうか。
しっかり考えて、コミュニケーションができる、そんなWeb担当者(ディレクター)を募集しております!
少しでも興味をお持ちでしたら、お気軽に相談してみてくださいね。
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ディー・エム・エヌ合同会社|dmn llc.
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