公開日:2026年02月20日
LPO(ランディングページ最適化)とEFO(入力フォーム最適化)を連携させて成果を最大化するための具体的な施策と検証方法を網羅的に解説します。
実務で明日から活用できるチェックリストやツール、成功・失敗事例まで掘り下げます。
LPOとEFO、意味の違いは?
LPOとEFOはいずれもWebサイトのCVR向上を目的とした最適化手法ですが、対象範囲とユーザー体験のフェーズが異なります。
LPOは広告や検索結果から最初に着地するLP全体を改善し、ファーストビューからCTA(行動喚起)までのストーリーを磨き込むイメージです。
一方EFOは、そのCTAをクリックした先にある入力フォームの離脱率を下げる専用施策です。
LPでせっかく興味を引いても、フォームで途中離脱されてはCVは発生しません。そのため両者は“入り口”と“出口”の両輪としてセットで実行することで最大効果を発揮します。
LPOとはLanding Page Optimizationの略で、特定の流入元から訪れたユーザーを最短距離でコンバージョンへ導くためのLP改善施策です。
>LPOとは?コンバージョン率を改善するランディングページ最適化について解説
SEOが検索結果でのクリックを増やす施策、CROがサイト全体のCVRを底上げする包括的概念であるのに対し、LPOは1枚のLPにフォーカスしてコピー・デザイン・導線・速度などをチューニングします。
Googleのコアアップデートに翻弄されるSEOだけではなく、広告費が高騰する昨今においても、LPOで獲得単価を下げることがROI向上に直結します。
EFOはEntry Form Optimizationの略称で、問い合わせ・資料請求・購入などの最終ステップである入力フォームをユーザーフレンドリーに改善する施策です。
入力項目の削減、エラーメッセージのリアルタイム表示、スマホ用キーボード自動切替などで心理的・物理的負担を軽減し、途中離脱を防ぎます。
特にスマートフォン比率が7割を超える昨今では、小さな画面での入力ストレスがCVRに直結するためEFOの重要性が高まっています。
LPOは「LPの入口からCVまでの全体最適」、EFOは「フォーム部分の局所最適」です。
実務では、どこがボトルネックかで優先順位が変わります。
例えばフォーム到達率が低いならLPO(ファーストビュー、訴求、CTA、信頼要素)を優先し、フォーム到達は多いのに完了率が低いならEFOを優先しましょう。
両者の違いを表で整理すると、改善対象と指標が明確になり、チーム内の認識ズレも減らせます。
| 観点 | LPO | EFO |
|---|---|---|
| 主な対象 | LP全体(FV〜CTA〜導線) | 入力フォーム(項目・UI・エラー) |
| 主指標 | 直帰率、CTAクリック率、フォーム到達率、CVR | 入力開始率、エラー率、完了率、フォーム離脱率 |
| 主な施策 | コピー改善、構成変更、信頼要素追加、デザイン最適化 | 項目削減、入力支援、リアルタイムバリデーション、スマホ最適化 |
| 効果が出る場所 | 「そもそも欲しい」を作る | 「最後まで完了できる」を作る |
スマホ経由のユーザーが増えた一方で、フォームは依然として“PC前提”の設計が残りがちです。
あるBtoCサイトでは、スマホの入力離脱率がPCの約1.7倍ものだったケースもありました。
さらにプライバシー保護意識の高まりから、不要な個人情報を求めるフォームは忌避されがちです。
これらを放置すると広告費を投下してもCVRが低下し、LTV向上の機会を逃すことになります。
だからこそ、EFOは“今すぐ”取り組むべき重要課題なのです。
現状把握と課題抽出
改善で最も多い失敗は「なんとなくフォームを変える」「流行のUIを入れる」など、根拠なく手を動かしてしまうことです。
まずは現状の数値を分解し、どこで落ちているか(LPで落ちているのか、フォームで落ちているのか、特定項目で落ちているのか)を特定します。
ボトルネックが違えば、打つべき施策も、テスト設計も変わります。
特にEFOは“項目単位”で課題が出るため、フォーム分析やイベント計測が出来ているか確認しましょう。
LP改善では直帰率やCTAクリック率、フォーム到達率が重要になり、EFOでは入力開始率、エラー率、完了率が重要になります。
例えばCVRが低いとき、原因が「そもそもフォームに来ていない」のか「来ているが完了しない」のかで打ち手が真逆です。
まずはファネル(閲覧→CTA→フォーム到達→入力開始→完了)で指標を並べ、どこが落ちているかを見える化しましょう。
課題抽出は「アクセス解析(GA4等)」「ヒートマップ(Clarity等)」「フォーム分析(専門ツール)」を組み合わせると精度が上がります。
アクセス解析ではページ遷移やデバイス比率、流入経路別CVRを確認し、ヒートマップでは“読まれていない箇所”や“押されていないCTA”を把握します。
フォーム分析では、どの項目で離脱・エラーが多いか、入力に時間がかかっているかを特定できます。
特にEFOは、フォーム全体の離脱率だけ見ても原因がわからないため、項目単位のイベント計測(フォーカス、エラー、離脱)を取ることが重要です。
同じLPでも、ターゲットによって刺さる訴求や許容できる入力負担は変わります。
例えばBtoBの資料請求では「会社名・部署・役職」などが必要になりやすい一方、D2Cの購入フォームで同じ項目数だと離脱が増えます。
また、比較検討段階のユーザーは“まず情報が欲しい”ため、いきなり詳細入力を求めると離脱しやすいです。
ペルソナ別に「LPで不安が解消されているか」「フォームで求める情報が過剰ではないか」を点検し、必要ならCVポイント自体(例:無料相談→本申込)を分ける設計も検討します。
LPのファーストビューで示したベネフィットとCTAボタンのコピーに一貫性がないと、ユーザーは不信感を抱きフォームへ進みません。
例えば『無料トライアル』と訴求しながらフォームでクレジットカード情報を求めると、離脱率は急上昇します。
一貫性を保つことがフォーム到達率向上の前提条件です。
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ここからは実務で最もニーズが高い具体的なEFO施策を12個に厳選し、優先順位の高い順に解説します。
どの施策も単発ではなく組み合わせることでシナジーが生まれ、弊社でもフォーム完了率を平均15〜30%押し上げた事例が多数あります。
各項目のチェックリストをそのまま社内共有ドキュメントに転記いただけるよう、200文字以上で掘り下げているため、ぜひご活用ください!
フォームは『入力項目が1つ増えるごとにCVRが0.5〜2%下がる』と言われます。
まずは必須と任意を精査し、社内プロセスで流用されていない項目を削除しましょう。
例えば電話番号を後工程で1割しか使わないのなら、初回接点ではメールアドレスのみに絞るべきです。
複数ページで同じ情報を要求している場合は統合し、ユーザーが“二度手間”を感じない導線を設計します。
入力エラーが最後の確認画面でまとめて表示される形式は、修正コストが高く離脱率を押し上げます。
リアルタイムバリデーションにより、項目単位で即座に赤枠とメッセージを表示すれば、ユーザーは小さなミスに気付きやすくなります。
また必須項目にはアスタリスク*と補足説明を付け、任意項目との違いを視覚的に伝えることが重要です。
郵便番号入力後に町名まで自動補完する仕組みは、特にスマホユーザーのストレスを軽減します。
さらに番地欄にフォーカスが移る設計や、全角・半角を自動変換するIME最適化でタイポを防止。
Google Place APIなどを活用した住所候補ドロップダウンも、入力時間を30%短縮する効果が報告されています。
スマホEFOの基本は「入力しやすいUI」と「誤タップしない設計」です。
電話番号は数字キーボード、メールはメール用キーボードなど、input typeを適切に設定するだけでも完了率が変わります。
また、ラジオボタンやチェックボックスのタップ領域が小さいと、誤操作が増えて離脱につながります。
フォームが2カラムで詰まっている、ラベルが見切れる、エラー表示でレイアウトが崩れる、といったレスポンシブの不備も要注意です。
スマホ比率が高いLPほど、EFOは“UI改善”の比重が大きくなります。
項目数を減らせない場合は、ステップフォーム(分割フォーム)で心理的負担を下げる方法があります。
一度に大量の項目が見えると「長い」と感じて離脱しますが、ステップ化すると“今やること”が小さく見えます。
このとき進捗バー(例:1/3、残り2分)を出すと、完了までの見通しが立ち、途中離脱が減りやすくなります。
ただしステップを増やしすぎるとページ遷移が増えて逆効果になるため、まずは3ステップ前後で検証するのが現実的です。
フォームは“入力の場”であると同時に、不安が最大化する場でもあります。
個人情報を渡す瞬間に、ユーザーは「営業電話が来ないか」「迷惑メールが増えないか」「本当に無料か」を気にします。
そこで、入力例(プレースホルダーだけに頼らずラベル近くに例を置く)、注意書き(短く具体的に)、プライバシーポリシーへの導線、運営会社情報、実績・認証マークなどを適切に配置します。
文言は長すぎると読まれないため、“不安の芯”にだけ刺すのがコツです。
フォーム離脱は「入力が面倒」だけでなく、「途中で別の用事が入った」「手元に情報がない」でも起こります。
高単価商材の場合、検討期間が長くフォームを一気に完了できないユーザーもいます。
このタイプの離脱には、一時保存(下書き)や、再開リンク(メールで再開URL送付)などが有効です。
また、入力中に詰まるポイント(例:プラン選択、必要書類)にはチャットボットやFAQ導線を置くと、離脱前に疑問を解消できます。
ただしポップアップが過剰だと逆に邪魔になるため、発火条件(滞在時間、エラー回数、離脱意図)を設計して“必要な人にだけ”出しましょう。
確認画面は安心感を与える一方で、設計が悪いと離脱ポイントになります。
よくある問題は「修正したいのに最初まで戻される」「戻ると入力が消える」「確認画面で再入力が必要」などです。
理想は、確認画面から項目単位で編集でき、戻っても入力内容が保持されることです。
また、確認画面を挟むかどうかは商材次第で、低リスクの資料請求などでは“確認画面なし”の方が完了率が上がることもあります。
ユーザーの不安と手間のバランスを見て、テストで判断しましょう。
送信ボタンはフォームの最終関門で、コピー次第で心理的ハードルが変わります。
「送信」より「無料で資料を受け取る」「30秒で申し込む」など、得られる価値が明確な文言の方が押されやすい傾向があります。
色は“目立てば良い”ではなく、周囲とのコントラストとブランドトーンの両立が重要です。
また、スマホではボタンが画面下に隠れやすいので、適切な余白、固定CTA、押し間違い防止のサイズ設計も検討します。
ボタン周辺に「個人情報は厳重に管理」などの安心文言を添えるのも有効です。
フォームは入力中に集中が切れやすく、表示が遅いだけで離脱が増えます。
特にステップフォームや確認画面で遷移が発生する場合、待ち時間が長いと“戻る”が押されやすくなります。
ページ表示が1秒遅延するだけでCVRは平均4.42%ずつ低下します。
BtoBではより顕著で、1秒で読み込むサイトは、5秒かかるサイトと比較して3倍高いCVRを記録しているとのことです。(単純計算で1秒あたり3割ほどCVR低下)
参考:Portentの調査(2022~2025年の継続調査)
https://portent.com/blog/analytics/research-site-speed-hurting-everyones-revenue.htm
EFOはフォーム内の改善だけでなく、LP全体との整合で効果が増幅します。
LPで説いているメリットと、フォームで求める情報の重さが釣り合っていないと、入力開始されません。
例えば「無料相談」と言いながら、フォームで詳細な予算や導入時期を必須にすると、ユーザーは“売り込みが強そう”と感じるかも知れません。
デザイン面でも、トンマナが揃っていない(LPは洗練されているのにフォームだけ古いUI等)と不信感が出ます。
訴求→根拠→実績→不安払拭→CTA→フォーム、というストーリーが途切れないように設計することが、LPO×EFOの要点です。
EFOの実施手順
EFOは“やったら終わり”ではなく、仮説検証で積み上げるほど強くなります。
フォームは小さな変更でも数値が動く一方、同時に複数箇所を変えると何が効いたかわからなくなります。
そのため、データから仮説を立て、優先順位を決め、ABテストや段階的リリースで検証し、勝ちパターンを標準化する流れが重要です。
また、計測設計(イベント、エラー、ステップ遷移)がないと検証できないため、PDCAの最初に“測れる状態”を作ることが成功の前提になります。
改善案が多いほど、優先順位付けが成果を左右します。
おすすめは「影響度(CVR改善インパクト)×実装工数×費用対効果」でスコアリングする方法です。
例えば“必須項目の見直し”は影響度が大きく工数も小さいことが多い一方、“ステップフォーム化”は影響度が大きいが工数も大きい、といった判断ができます。
また、フォーム分析で特定項目のエラー率が突出しているなら、そこは最優先です。
逆に、デザインの微調整などは後回しでも良い場合が多いです。
仮説は「どのユーザーが」「どの場面で」「何に困り」「どう変えると」「どの指標が改善するか」まで言語化すると強くなります。
例として、スマホ比率が高く、電話番号入力で離脱が多いなら、「数字入力の手間と営業不安が原因→任意化+用途明記→完了率が上がる」という仮説が立ちます。
このように、データ(離脱箇所、エラー率、滞在時間)と心理(不安、面倒、理解不足)を結びつけるのがコツです。
仮説が明確だと、テストの評価指標もブレず、学びが蓄積します。
A/Bテストは、EFOに限らず母数が足りないと有意差が出ず、誤った学習につながります。
月間フォーム流入が3,000セッションでCVR5%の場合、標準的には4週間でテストしないと有意差95%を確保できません。
EFOはマーケだけで完結せず、デザインと開発の協力が必要です。
一般的にはマーケはKPI設計、仮説、テスト計画、結果解釈を担い、デザインはUI/文言/視認性の改善、開発は入力支援やバリデーション、計測実装、速度改善を担います。
このとき、要件が曖昧だと手戻りが増えるため、「変更内容」「期待効果」「計測方法」「ロールバック方法」をチケット化して共有するとスムーズです。
また、法務・セキュリティ(個人情報、同意文言)が絡む場合は、早めにレビューを通しておくとリードタイムを短縮できます。
効果検証の具体的方法
EFOの効果検証は、単にCVが増えたかだけでなく、中身も重要です。
同じフォームでも、流入経路でユーザーの温度感が違うため、CVRや離脱ポイントが変わるという点は、よくある見落としポイントです。
SEO流入は課題解決の情報収集が多く、納得材料(比較、根拠、事例)が不足すると離脱しやすいです。
SNS流入は衝動的クリックが多く、フォームが重いとすぐ離脱します。
繰り返しになりますが、広告流入は訴求とLPの一致(メッセージマッチ)が重要で、ズレると直帰・離脱が増えます。
対策として、経路別にLPやフォームの出し分け(項目数、CTA、オファー)を検討し、少なくとも分析はセグメント別に行うのがよいでしょう。
数値は「どこで起きたか」は教えてくれますが、「なぜ起きたか」は教えてくれません。
そこで、定性データを組み合わせます。
セッション録画で実際の入力の詰まりを見たり、フォーム直前での離脱に簡易アンケート(離脱理由)を出したり、ユーザーテストで“言語化されない不満”を拾うと、仮説の精度が上がります。
特にエラーが出ているのに直せず離脱しているケースは、録画を見ると一発で原因がわかることが多いです。
定量で当たりをつけ、定性で理由を確定し、改善案に落とす流れが最短です。
Microsoft Clarityは無料で使える行動分析ツールで、ヒートマップとセッション録画が強みです。
「どこまでスクロールされたか」「どこがクリックされたか」「フォームでどこに詰まったか」を視覚的に把握でき、EFOの仮説作りに役立ちます。
特に録画は、エラー表示のわかりにくさや、スマホでの誤タップ、入力欄の小ささなど、数値だけでは見えない問題を発見しやすいです。
もちろん、専用ツールのほうが有利な点もありますが、まずはコスパが良い Clarity を活用してみて、不足を感じたら専用ツールの導入を検討しましょう。
銀行のマイカーローンのランディングページ最適化をサポートさせていただいた弊社事例では、「Microsoft社が提供しているツール」という点が決め手になり、Clarity利用の稟議が通り、無事にLPO/EFOの基盤を整えることができました
LPOとEFOは別物ですが、成果は“掛け算”で出ます。
フォーム完了率が上がっても、フォーム到達が少なければCVは伸びません。逆に到達が多くても、フォームが使いにくければ取りこぼします。
ここでは、成功事例を3つ、そしてよくある失敗パターン(仮想事例)を1つご紹介します。
あるEC企業では15項目あった購入フォームを7項目に削減し、スマホキーボードを最適化した結果、完了率が27%から44%へ向上しました。
実装は開発2人日で、広告費を増やすことなく月間売上が1,200万円増えた、まさにEFOの好例です。
BtoB SaaSのLPで『無料デモを依頼する』というCTAを『30日間無料トライアルを開始』に変更し、CTAをファーストビューに追加。
フォームはステップ化して心理的負担を軽減したところ、フォーム到達率が18%、完了率が35%向上しました。
業界シェアNo.1ロゴとSSL証明書バッジをフォームヘッダーに設置し、個人情報保護方針へのリンクを明示したところ、BtoCサービスで完了率が12%→19%にアップ。
ユーザーが安心して個人情報を入力できる環境をつくることが重要だと分かります。
失敗で多いのは、複数箇所を同時に変えてしまい、何が効いたかわからなくなるケースです。
また、計測が不十分で、フォーム到達・入力開始・エラーなどの中間指標が取れておらず、CVが増減した理由が判断できないこともあります。
さらに、サンプルが少ないのに短期間で結論を出すと、偶然のブレで誤った判断をしやすくなります。
対策は、①変更点を絞る、②計測設計を先に作る、③十分な期間とサンプルで評価する、④品質指標(無効リード率等)も可能なら見る、の4点です。
まとめ
LPOはユーザーをフォームへ導く“入り口”を整え、EFOは“出口”である入力フォームを磨き上げます。
両者をセットで回し、データドリブンにPDCAを継続することで、広告費に頼らずCVRを底上げできる体制が構築できます。
今日紹介したチェックリストを活用し、継続的学習と成功体験を積み重ねていきましょう!
ディー・エム・エヌ合同会社|dmn llc.
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